ウォーレンバフェット名言集 第2章

2018年3月6日

バフェット氏の名言集 第1章に引き続き、新たな名言集と日本語解釈を紹介します。

前回のポストから5年。新たに発見したウォーレンバフェット氏の名言を付け加えました。定期的に新しい名言を加えていきます。

26 どれだけ優秀な才能や努力を持ってしても、時間のかかるものはあるのです。9人の妊婦を持ってしても、1ヶ月では子供は生まれません。

No matter how great the talent or efforts, some things just take time. You can't produce a baby in one month by getting nine women pregnant.

Warren Buffett

昨今、ビットコインを初め、仮想通貨がブームです。「億り人」と呼ばれる人が生まれるなど、一夜にして億万長者になる人も生まれました。1年で100倍、1000倍のリターンとなれば誰にとっても夢物語です。でもここでバフェット氏が指摘しているのは時間が生み出す投資の魔力です。バフェット氏はよくPower of Compoundingと言います。いわゆる複利です。

例えば100円を年利10%で20年運用したら、利息年10円 x 20年 = 200円。元本と足して合計300円だと思うかもしれません。でも複利で運用すると、実は300円ではなく673円、6倍以上になるのです。初年度の利息は残りの19年間利息が払われ、翌年のは残りの18年、、、と毎年元本と利息の合算に利息が付くのです。これが複利の力です。

あのアルバート・アインシュタインも「複利は宇宙で最強の力だ」と語ったようですが、バフェット氏やアインシュタイン氏が評価するこの複利を、多くの一般人は過小評価しているのかもしれません。

72の法則をご存知でしょうか?複利何%、何年で資産が2倍になるかを求められる公式ですが、R x Y = 72という式で表せます。R = 年利、Y = 年月です。10年で資産を2倍にするには、7.2%の利息で達成できます。36年あれば年利2%で可能です。毎年小さな利回りでもコツコツと複利で貯めていけば、実は時間とともに想像以上に資産は増えるのです。多くの人が40年近く人生で働くと思います。その間、年3%で運用された資産は、40年後に3.26倍になります。4%なら、4.8倍、5%なら7倍以上になるのです。

時間のあるまだ若い人には是非この複利の力を利用して欲しいです。毎年小さなリターンでも、長く運用すれば、歳を取った時に予想以上に恩恵を受けられるでしょう。

27 成功者と「超」成功者の違いは、超成功者はほぼ全てにノーと言うことだ。

The difference between successful people and really successful people is that really successful people say no to almost everything.

Warren Buffett

この名言は誤解されがちですが、何も誰に対しても排他的で、自分勝手に振る舞えと言っているのではありません。そうではなくて選択と集中の大切さを説いています。

ビルゲイツ氏とバフェット氏が初めて会った時、ゲイツ氏の父、シニアが二人に「人生で成功するのに一番大切な1単語は?」と尋ねました。偶然にも二人は同じ単語を選びました。それが「Focus」。つまり集中です。集中するには不必要なものを切り捨てなければなりません。時には必要と思えるものでも、さらに選択と集中をするめるためにそれさえ切り捨てる勇気も必要なのです。

人から頼られれば悪い気分はしないし、なんとか力になりたいと思うのが人の性。カレンダーも満帆にして忙しくしていれば、満たされる感、世の中での存在意義も感じられる。多くのことで能力を見せれば人は器用だと褒めてくれる。でも超成功者はそれに敢えてノーと言う。他人に対しても、自分に対しても選択と集中をすることで、偉業を成し遂げているのです。

ではその選択と集中を実践的にどう行えばいいのでしょうか?これもバフェット氏が助言してくれています。

まず、人生でもキャリアの目標でもいいのですが、25個の達成したい目標をリストにしてください。次に、25個のリストから最も重要なもの5つを選んで丸をしてください。今5個の最重要目標と、20個のその次に重要な目標のリストが出来たと思います。それではバフェット氏のいう選択と集中をここでします。まず最重要の5つは絶対に達成できるよう努力してください。そして20個の目標は絶対に「達成してはいけない」目標にしてください。「達成できればなぁ」の目標ではありません。達成することをむしろ絶対に避ける目標にしてください。これがバフェット氏の言う選択です。最重要の5つが達成できたら、またリストを作り直せばいいのです。5つの目標の達成を妨げる二次的な目標は目標ではなく、むしろ障害になります。思いきって切り捨て、避けるよう努めるのです。

偶然にもアップルのカリスマ創業者、スティーブジョブズ氏も似たようなことを言っております。インノベーションとは1000の良いアイデアにノーと言うことだと。ジョブズ氏の極端なまでの選択と集中が、あれだけシンプルで洗礼された製品を世に生み出すのです。超成功者は生まれ持ってか、もしくは成功の過程でこういった考え方を自然に身に付けているのかも知れませんね。

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28 「君に好みの車をプレゼントしよう。明日の朝、大きなリボンを付けてここに届けるよ。もちろん新車だよ。」...「でも1つ注意事項が。これが君の人生で最後の車になるよ。だから死ぬまで長持ちさせてね。」

"I'm going to give you the car of your choice. It'll be here tomorrow morning with a big bow tied on it. Brand-new. And it's all yours."... "There's only one catch. This is the last car you're ever going to get in your life. So it's got to last a lifetime."

Warren Buffett

これもバフェット氏がよく大学生を前にして講義するお話です。どんな新車でも貰えるよと言われれば、「フェラーリがいいかな」「ポルシェがいいかな」と高級車を想像する若者が多いかもしれませんが、ポイントはこれが人生最後の車で、死ぬまで乗らなければならないという条件です。それを弁えていれば、燃費のいい車、家族になっても乗れる車、駐車場は屋根付きにして、ちょっとでも傷が付いたら錆びないようにすぐに修理に出して、運転も車を傷めないように優しく運転したりと、死ぬまで持たせるために色々と策を練るはずです。

実際、車は買い替えができます。でもこれは人が持って生まれてきた心と体のお話なのです。生まれ持った心と体は誰でも死ぬまでそれが最初で最後です。若い時は心も体も新車のように乱暴な運転が出来るかもしれません。でも長いこと心体をそうやって乗り続けると、20年、30年後には修復し難いガタがきます。今日の、若い今のうちの行いが、10年、20年、30年後の心体を形作るのです。買い替えができない心体だからこそ、若いうちから一生長持ちするよう大切にして欲しいというのがバフェット氏の言葉です。

29 人を雇う時、次の三要素、「清廉性、知性、活力」を考慮するべきです。そしてもし最初の要素が欠けていれば、その人材はあなたにとって致命的です。考えてみてください、もし清廉性に欠けている人材を雇ったら、その人がバカで怠け者であることをあなたは絶対望むはずです。

In looking for people to hire, you look for three qualities: integrity, intelligence, and energy. And if you don’t have the first, the other two will kill you. You think about it; it’s true. If you hire somebody without it, you really want them to be dumb and lazy.

Warren Buffett

自分も立場上、多くの人を採用試験で面接して来ましたし、現在も多々あります。その時いつも思うのがバフェット氏のこの言葉です。仕事上エンジニアを面接することがほとんどですが、やはりその人の知性や経験、インノベーションへの情熱など、知性や活力を主に把握しようと試みます。しかし清廉性や正直さは、面接を重ねるに連れ、採用した人材と共に働く機会が増えるごとに、改めて重要さを痛感しております。バフェット氏のこの考え方は国や労働文化を越えて共有できる見識だと思います。

バフェット氏は90年代にソロモンブラザーズという投資銀行に投資します。しかし投資直後に不正や膨大な債務が明るみに出て、経営陣が全員退任に追い込まれ、会社も倒産の危機に瀕します。普段は投資先の経営には一切関与しないバフェット氏ですが、さすがにこの逼迫した事態を収拾出来るのはバフェット氏しかいないということで、会長として立て直しの白羽の矢がたちます。

ソロモンに乗り込んだバフェット氏が第一にやらなければならなかったことがCEOの選任でした。12人ほどいた候補者全員をバフェット氏が面接しますが、その時のことを後に回想しております。候補者に対して経歴やレジュメを要求しませんでしたし、学歴やMBAの有無すらも不問でした。CEO候補に上がるくらいの人ならみんな知性や活力は備わっているので、そんな分かりきった事はバフェット氏はあえて尋ません。そして上記の言葉を信念に清廉性を重要視した結果、選ばれたのがデレック・マウン氏でした。マウン氏はCEO就任後1ヶ月経っても、自分の給料がいくらなのか、ボーナスがいくらなのかなどを一切バフェット氏に聞かなかったそうです。それでも毎日18時間の多忙な労働を何ヶ月も続けます。そしてマウン氏とバフェット氏の元、ソロモンは一命を取り留めます。結局シティーグループに買収され、事は終息するのですが、バフェット氏はマウン氏のその時の清廉性を非常に評価しており、自分の選択が正しかったと誇りにされております。

一方で、エンロンやワールドコムのように、知性と活力を持った有能な人材が清廉性の欠損がもとで大企業を倒産させてしまった例など多々あります。日本でも現在財務省の隠蔽問題が取り上げられていますが、これもまた有能な人材の清廉性の欠如と言えるかもしれません。

なかなか人材の清廉性を数時間、数回の面接で読み取るのは難しいですし、ことが上手くいっている時は誰でも正しい振る舞いができるものです。問題は困難に直面した時、その人の真の清廉性は試されるのです。

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